職業野球を追いかけて

引退したプロ野球選手を紹介するブログです。主に戦前・戦後直後から現在のプロ野球まで幅広く扱います。

1950年毎日オリオンズ名鑑

1950年毎日オリオンズ選手名鑑完成。
 こうして見ると、三宅宅三の背の高さが際立つ。チーム唯一の6尺越え。
また、この年の毎日は嘉義農林出身の選手が多いのも特徴だ。呉辺りの人脈のおかげだろうか。
 他に気になるのは投手が新人選手ばかりだということ。どちらかと言えば打のチームであると開幕前は思われており、それだけに荒巻がどの程度活躍するかに注目が集まっていたようだ。

35 湯浅 禎夫 ゆあさ・よしお 47歳            総監督

右投右打/58(176cm) 185(69.5kg)

米子中学-大連実業-明治大学-大阪毎日

 米子中学、明治大学などでは、速球と大きく曲がるドロップを武器に活躍。全盛時はアメリカのコーストリーグからも誘いがあったほど。打者としても広角に打ち分ける技術を持っており、脚も速く、スライディングの技術も高かった。コーチとしても優秀で、昭和三年、当時広陵中にいた八十川を一年間鍛えたことがある。


33 若林 忠志 わかばやし・ただし 42歳        監督・投手

右投右打/58(176cm) 215(80kg)

マッキンレー高校-本牧中学-法政大学-コロムビア-大阪タイガース

 タイガース時代から監督を兼任していた投手で、ベテランらしい老獪さと七色の変化球が武器。その中でも特にチェンジ・オブ・ペースは球界一とすら言われている。選手としては、だいぶ歳だが活躍できるか、監督としては、人数が多く新しい毎日球団をいかにまとめあげるかに注目が集まる。
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34 内海         50歳            コーチ

右投右打/56(170cm) 21(78kg)

関西学院中学-関西学院-大阪毎日

 関西学院時代から快速球投手として知られた選手。大阪毎日時代では湯浅総監督とチームメイトだった。同球団解散後は大阪毎日新聞運動部に入り、副部長として筆をとった。(湯浅総監督は運動部部長であった)

30 苅田 久徳 かりた・ひさのり 39歳      コーチ・内野手

右投右打/565(171cm) 17(64kg)

本牧中学-法政大学-巨人-セネタース-大洋-大和-東急

 法政大、巨人では遊撃手として華麗な守備を見せ、セネタースでは二塁手に転向。その後は球団を転々とし、一昨年は東急で監督を務めあげた。一年のブランクがあるが、選手として活躍できるだろうか?年齢も高いので、選手よりもコーチとしての手腕に注目したいところだ。 
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10 浅井 あさい・まもる 25歳              投手

左投左打/576(175cm) 18(67.5kg)

京都武専-東洋産業

 京都武専卒業で、柔道五段という変わり種。野球を始めてからまだ半年しか経っていないという話は本当だろうか?鍛えていただけあって体は強く強肩。素材はいいだけに、この選手をどう育てていくのか興味深い。入団時は外野手登録だったが、結局投手に落ち着いた。

11 荒巻 あらまき・あつし 24歳             投手

左投左打/57(173cm) 16(60kg)

大分商業-大分経済専門-星野組

 大分経済専門学校時代に、全国高専大会で一試合25三振を奪い名をはせた。その後、別府星野組に入団し、こちらでも活躍、ノンプロ界指折りの投手として騒がれたのは記憶に新しい。文句なしの新人王候補だろう。武器は大きく落ちるドロップで、制球もいい。

12 榎原 えばら・よしみ 25歳               投手

左投右打/58(173cm) 18(67.5kg)

三田中学-法政大学-熊谷レッドソックス-篠崎倉庫

 国民リーグ熊谷レッドソックスにいたことがある左腕。篠崎倉庫ではエースとして都市対抗にも出場した。速球の威力は抜群で制球もいい。スタミナもあるので完投投手として将来を渇望される。(左投げ右打ちという珍しい打ち方だが、ネットには両打ちという情報もある。真偽の程は不明)

13 野村 武史 のむら・たけし 31歳             投手

右投右打/555(168cm) 17(64kg)

岐阜商業-明治大学-京城-豊岡物産-東洋産業

 明治大学を中退したあと全京城に入団。昭和16年夏にはエースとして都市対抗優勝を果たした。ピッチングフォームは武末に似たアンダースローで、投げるボールも武末によく似ている技巧派。ついでに風貌まで武末そっくり?(実は、1946年に「野村清」名義でセネタースに入団して3試合だけ投げている)

14 佐藤 平七 さとう・へいしち 32歳            投手

右投右打/55(167cm) 175(65kg)

育英商業-法政大学-函館大洋

 昭和16年、法政大学の優勝に柚木(南海)と共に貢献。法政で活躍したあとは、故郷北海道に戻ってノンプロ函館大洋で活躍し、今回毎日に入団した。野村と同じく下手投げの投手で、球はそこまで速くない。

15 祖父江 東一郎 そふえ・とういちろう 27歳       投手    

右投右打/59(179cm) 175(65kg)

一宮中学-大洋-愛知産業

 戦前、1942年と1943年に大洋(1943年は西鉄)で主に外野手として出場。終戦後はノンプロ愛知産業で投手に転向し、大洋時代の同僚、佐藤武夫とバッテリーを組んだ。長身から繰り出される速球が武器だが、変化球はまだまだ。

16 上野 重雄 うえの・しげお 27歳            投手

右投右打/56(170cm) 165(62kg)

九州学院中学-京城-門司鉄道局 

 京城医専門学校を卒業した産婦人科医という変わり種の投手。終戦後に門鉄に入団し、西鉄の大崎と共に九州野球界で名をはせた。コーナーワークが武器の技巧派。

17 萩原 はぎわら・あきら 23歳             投手

右投右打/565(171cm) 17(64kg)

台南一中-志免鉱業

 中学時代から志免炭鉱鉄道の投手として活躍し、1948年の全国鉄道大会では門司鉄道局を破り優勝した。ノンプロでは活躍したが、プロとしてはまだまだ。将来性に期待したいところだ。

18 星野 武夫 ほしの・たけお 20歳            投手

右投右打/57(173cm) 18(67.5kg)

愛知商業-三菱-東洋紡富田

 東洋紡富田ではエースとして活躍していたが、まだまだ未完成でプロとしては心もとない。特に球威が無いのは致命的だ。ただ、まだまだ20歳と若いので将来性があるのは救い。

19 土井垣 どいがき・たけし 28歳           捕手

右投右打/54(164cm) 18(67.5kg)

米子中学-タイガース

今年、タイガースから移籍。タイガース時代から捕手として活躍。打撃がよく、阪神ダイナマイト打線の一角を担った。通算打率.285は全球団中5位、捕手としてはナンバーワンだ。今年は時々三塁に回る案も出ている。
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20 片岡 博国 かたおか・ひろくに 33歳               捕手      

右投右打/565(171cm) 175(65kg)

東邦商業-早稲田大学-昭和製鉄-名鉄-函館太洋

 ノンプロ時代は内外野捕手と様々なポジションを務めたが、結局捕手に落ち着いた。強肩強打の選手で、土井垣のポジションを奪う可能性も充分にある。

21 長島  ながしま・すすむ 29歳                 捕手   

右投右打/565(171cm) 175(65kg)

関東中学-簡易保険局-名古屋金鯱-大塚アスレチックス-日本大学-豊岡物産

戦前に名古屋金鯱で捕手として活躍した選手。戦後は国民リーグ大塚アスレチックスに入団し、球団解散後は日本大学、豊岡物産に移った。nagashimaseiseki


31 東口 清美 ひがしぐち・きよみ 26歳              捕手   

右投右打/56(170cm) 16(60kg)

津中学-全津-星野組

永利が阪急に入団したあとの星野組で荒巻とバッテリーを組み活躍。その荒巻とセットで毎日に入団した。ただ、プロとしてはまだまだであり、土井垣を脅かすほどではない。 


今久留主  いまくるす・すなお 31歳             内野手

右投右打/585(177cm) 14(52.5kg)

嘉義農林-星野組

荒巻、東口、弟の今久留主功らと共に星野組から毎日へ入団。嘉義農林時代の1936年には夏の甲子園に出場したこともある。その時は捕手を守っていた。馬力のある選手で脚が速い。また、広角に打ち分ける力もある。


今久留主  いまくるす・いさお 24歳             内野手

右投右打/54(164cm) 16(60kg)

嘉義農林-台湾専売局-星野組

兄、今久留主淳と共に星野組から毎日に入団。星野組では二塁手を務めていた。兄を一回り小さくしたような選手で脚も速い。打撃は兄より落ちるが、守備は兄よりも軽快で肩もいい。


西本 幸雄 にしもと・ゆきお 29歳               内野手  

左投左打/57(173cm) 175(66kg)

和歌山中学-立教大学-全京都-八幡製鉄-星野組

荒巻らと共に星野組から入団。星野組では監督兼選手として活躍したため、新生チームをまとめる役割も期待される。選手としては一塁守備と内角打ちに定評があり、立教時代からそれは変わっていない。


河内 卓司 こうち・たくし 29歳                内野手   

右投右打/57(173cm) 175(66kg)

広島一中-慶応-大洋漁業

慶応大学時代は別当や大島信雄(松竹)らと共に活躍。遊撃手としての守備には定評がある。打撃も確実性があり、広角に打ち分けるのが得意で脚も速い。


奥田  おくだ・げん 29歳                   内野手 

右投右打/56(170cm) 165(62kg)

嘉義農林-立教大学-山藤商店-古沢建設

今久留主兄弟と同じ嘉義農林出身。山藤商店、古沢建設、二つのノンプロ球団で都市対抗に出場した。強肩で俊足だが、やや守備範囲が狭いのが欠点。打撃では内角球を打つのが得意。


22 野村 輝夫 のむら・てるお 25歳                内野手  

右投右打/565(171cm) 165(62kg)

松山商業-明治大学

明治大学では三番を打った。打撃ではいいものを持っている。


24 本堂 保次 ほんどう・やすじ 32歳              内野手

右投右打/54(164cm) 18(67.5kg)

日新商業-タイガース-太陽-タイガース-

戦前、1937年からタイガースで二塁手として活躍した選手。堅実な守備と打撃には定評があり、頭もいい。一度、十年選手として太陽に移籍したあとタイガースに戻り、今度は毎日に移籍した。通算打率.266は球界全体で15位。
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27 三宅 宅三 みやけ・たくぞう 29歳               内野手  

右投右打/6(182cm) 185(69kg)

玉島中学-明治大学-倉敷工業高校(監督)

昨年、倉敷工業高校で監督を務め、チームを甲子園に導いた変わり種選手。非常に背が高く、また足も長い。アマチュア時代は大物打ちで知られており、毎日でも長打を期待されるだろう。守備は内外野どちらとも守れ、脚も速い。


32 大館  おおだて・いさお 32歳                 内野手  

右投右打/585(177cm) 23(86kg)

平安中学-京都武専-全京都-タイガース

昨年、タイガースに入団。今シーズン開幕前に徳網とのトレードで毎日に入団した。浅井と同じく京都武専出身であり、柔道六段の腕前。他にもバスケットやアメリカンフットボールなども上手く運動神経抜群。全京都時代から長打で知られており、もっぱら一塁手として出場している。昨年はあまり打てなかったが今年はどうか。
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伊藤 庄七 いとう・しょうしち 31歳               外野手

右投右打/58(176cm) 20(75kg)

東邦商業-明治大学-満州鉄道-愛知産業

体が大きく頑丈で、中学時代から長距離打者として名が知られていた。伊藤のプロ入りがこの歳まで遅れたことは各方面から残念がられたが、まだまだ打力は衰えていない。高めの球を打つのが得意。


戸倉 勝城 とくら・かつき 35歳                 外野手  

右投右打/56(170cm) 18(67.5kg)

豊浦中学-法政大学-大連満鉄倶楽部-大洋漁業

河内と共に大洋漁業から引き抜かれた。学生時代から好打者として知られており、毎日でもクリーンアップを打つことが予想される。ガッチリした身体から放たれる長打は鋭く大きい。35歳という年齢だけが心配だが…?


小田野  おだの・かしわ 33歳                 外野手  

右投右打/565(171cm) 165(62kg)

岩手福岡中学-青森営林局-仙台鉄道-阪急-豊岡物産-常盤炭鉱

戦前は阪急で投手をやっていた。戦後はノンプロで大活躍し、豊岡物産時代に天覧試合でホームランを打ったことで有名に。頑丈な体で堅実なプレーと強肩が売り。ただ、外角球を打つのは苦手?


23  昌征 ご・しょうせい 33歳                  外野手  

左投左打/56(170cm) 175(66kg)

嘉義農林-巨人-タイガース

若林らと共にタイガースから移籍。42年、43年と首位打者になり、44年には盗塁王を獲得した俊足好打の選手。戦後の46年には投手不足から投手兼任となり、ノーヒットノーランを達成するなど、14勝を上げる活躍を見せた。一応、昨年も一試合だけ投手として投げているが、投手としての実力はもうない。昨年辺りから脚の速さと打棒に衰えが見え始めているのが気がかりだ。go


25 別当  べっとう・かおる 29歳                 外野手  

右投右打/595(180cm) 20(75kg)

甲陽中学-慶應義塾大学-全大阪-タイガース

若林らと共にタイガースから移籍した一人。説明不要のスラッガーで、今年も本塁打王を争うことが期待されている。中学時代は投手で、大学時代に外野手に転向した。betto


26 小俣 秀夫 こまた・ひでお 24歳                 外野手 

右投左打/55(167cm) 20(75kg)

平安中学-早稲田大学-タイガース-全京都-星野組

戦後直後の46年にタイガースに在籍。退団後はノンプロ星野組などで活躍し、プロに復帰した。そこまで長打力があるわけではないが、鋭いスイングで広角に打ち分ける力はある。
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28 白川  しらかわ・はじめ 27歳                 外野手      

右投右打/55(167cm) 16(62kg)

鹿児島商業-満州電鉄-満州倶楽部-星野組

星野組ではレフトとして活躍。脚が速く守備も上手いが打つ方はいまひとつで、長打力に欠ける。単打でいいので出塁さえ出来れば、すかさず盗塁をしかけられるのだが。 


29 増山  ますやま・ひろし 23歳                 外野手  

右投左打/55(167cm) 16(62kg)

敦賀商業-大塚産業

慶応の名遊撃手増山桂一郎の弟(?)脚の速さを買われて内野から外野に転向した。
 


ここから1950年途中入団選手

相沢  あいざわ・すすむ 20歳                   投手 

右投右打/565(171cm) 17(64kg)

湘南高校

1950年入団。トラック諸島出身の変わり種選手。軟式野球で活躍しているところ、若林監督の目に留まり毎日に誘われた。まだまだ若くこれからが期待される。


北川 桂太郎 きたがわ・けいたろう 25歳               投手 

右投右打/55(167cm) 16(62kg)

島田商業-セネタース-西鉄クリッパーズ

セネタースから西鉄に移った直後のシーズン途中に小田野+今久留主淳とのトレードで毎日に入団した。速球派投手だったが、去年チェンジオブペースを多投するようになり、滅多打ちをくらった。技巧派への転身に失敗したのか、それとも単に怪我か何かで速球のスピードが落ちたのか。

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参考文献:読売新聞 朝日新聞 雑誌『野球界』『ホームラン』『野球日本』